「第62回Q-LEAP量子AIセミナー」のお知らせです。
今回は、慶應義塾大学の安田 俊輝 氏による、量子リザバー計算に関しての実機利用結果に関するオンラインセミナーを行います。
参加を希望される方は下記の参加登録フォームよりご登録をお願いします。
- 日時: 2024年6月18日(火) 13:00~14:00
- 場所: オンライン(ZOOM)
- 講演タイトル: Quantum reservoir computing with repeated measurements on superconducting devices
- 講演者: 安田 俊輝 氏(慶應義塾大学 理工学研究科)
概要:
リザバーコンピューティングは、力学系の非線形性や記憶特性を利用して、人工的あるいは物理的な散逸ダイナミクスを用いて時系列データを予測する機械学習フレームワークである。量子システムは有望なリザバーとして考えられているが、従来の量子リザバーコンピューティング(QRC)モデルは実行時間に問題がある。本研究では、時系列を生成するためにIBMデバイスに新しく実装されたDynamic Circuitフレームワークである繰り返し測定を利用することで効果的に実行時間を短縮する量子リザバーシステムを開発した。そして提案するQRCをIBMの超伝導量子プロセッサ上で実験的に実装し, 非線形自己回帰移動平均ダイナミクス(NARMA)のエミュレーションにおいて従来のQRC方式よりも高い精度と短い実行時間を達成することを示した。また、ソフトロボットを用いた実験を行い、1000timestepにわたる規模の大きい実データに対して超伝導量子コンピュータを用いた時系列データ処理が十分適用可能であることを示した。最後に, IBMの128qubit系の量子コンピュータを用いた非常に大規模な実験を行い、私たちのリザバーシステムが将来的に実装されるであろう大きな量子コンピュータに対してある程度スケールすることを報告する.[1]。
[1] T. Yasuda et al., arXiv:2310.06706 (2023).
本セミナーシリーズは量子AIやその周辺分野に関する最近の研究内容などを共有するために企画した、オープンなセミナーです。
皆さまのご参加をお待ちしています。