開催案内

「第63回Q-LEAP量子AIセミナー」のご案内(2024年7月2日開催)

「第63回Q-LEAP量子AIセミナー」のお知らせです。
今回は、大阪大学の渡辺 亮 氏による、テンソルネットワーク法を組み込んだ変分量子アルゴリズムに関するオンラインセミナーを行います。
参加を希望される方は下記の参加登録フォームよりご登録をお願いします。

参加登録フォームへ

  • 日時: 2024年7月2日(火) 13:00~14:00
  • 場所: オンライン(ZOOM)
  • 講演タイトル: テンソルネットワークアンザッツを用いた変分量子アルゴリズムとアンザッツの自動構造探索
  • 講演者: 渡辺 亮 氏(大阪大学 基礎工学研究科)

概要:
変分固有値解法アルゴリズム(VQE : variational quantum eigensolver)は、量子多体系の基底エネルギーや基底状態を求めるための変分量子アルゴリズムであり、古典計算機では扱えない規模の量子状態を取り扱うことが期待されている。VQEでは目標となる量子状態を含むように変分量子回路(アンザッツ)を設定する必要があるが、これが複雑な場合、パラメーターの勾配が消失するなどの問題が生じることがある。本研究では、当該課題を回避するために回路の一部を事前に最適化する戦略[1]に加えて、量子多体系の基底状態が満たすべきエンタングルメント則に基づいたテンソルネットワーク(TN)アンザッツを組み込む方法を提案した。これを非一様な結合を持つスピン系に対して適用したところ、標準的なVQEにおける局所解のトラップを回避できる可能性が示された[2]。この結果を紹介すると共に、[2]で利用されるエンタングルメントくりこみアンザッツを元に、問題に応じて自動で構造を改良する方法[3]とその応用可能性について発表する。

[1] Manuel S. Rudolph et. al., Nat. Commun. 14, 8367 (2023)
[2] Ryo Watanabe, Keisuke Fujii, and Hiroshi Ueda., Phys. Rev. Res., 6, 023009 (2024)
[3] Ryo Watanabe, Hiroshi Ueda., arXiv:2405.06534 (2024)


本セミナーシリーズは量子AIやその周辺分野に関する最近の研究内容などを共有するために企画した、オープンなセミナーです。
皆さまのご参加をお待ちしています。