開催案内

「第64回Q-LEAP量子AIセミナー」のご案内(2024年7月16日開催)

「第64回Q-LEAP量子AIセミナー」のお知らせです。
今回は、Nanofiber Quantum Technologiesの田宮 志郎 氏による、誤り耐性量子計算に関するオンラインセミナーを行います。
参加を希望される方は下記の参加登録フォームよりご登録をお願いします。

参加登録フォームへ

  • 日時: 2024年7月16日(火) 13:00~14:00
  • 場所: オンライン(ZOOM)
  • 講演タイトル: Concatenate codes, save qubits
  • 講演者: 田宮 志郎 氏(Nanofiber Quantum Technologies, Research Scientist)

概要:
耐故障性量子計算(FTQC)は、ノイズにさらされた量子デバイスを用いて理想的な量子回路の出力を任意精度でシミュレートする手法である[1]。近年、連接符号[2]や非消失率レート量子LDPC符号[3]に基づき、論理量子ビットあたりに必要な物理量子ビット数が漸近的に定数に収束する定数空間オーバーヘッドFTQCプロトコルが提案されている。しかし、FTQCの物理実装へ向けては空間オーバーヘッドが小さいことのみでなく、高閾値、モジュール性など複数の要素を考慮したプロトコル設計が必要不可欠である。そこで本研究では、これらの要求を満たす新たな定数空間オーバーヘッドFTQCプロトコルを提案する[4]。このプロトコルは、連接ハミング符号の下段にC4/C6誤り検出符号を組み合わせた入れ子構造を持ち、自然にモジュール性を実現する。数値シミュレーションにより、本プロトコルは論理CNOTゲート誤り率10^(-10)と10^(-24)を達成するための空間オーバーヘッドを表面符号と比較してそれぞれ約90%と97%削減できることを示した。さらに、従来の回路レベルのエラーモデルにおいて2.4%の閾値を達成し、表面符号を大幅に上回る高閾値性能を示した。本講演では、連接符号を用いたFTQCの基礎を紹介し、その後我々の提案プロトコルの構成と、数値シミュレーション結果について議論する。

[1] D. Gottesman, arXiv:0904.2557 (2009)
[2] H. Yamasaki, M. Koashi, Nature Physics 20, 247 (2024)
[3] D. Gottesman, arXiv:1310.2984 (2013)
[4] S. Yoshida, S. Tamiya, H. Yamasaki, arXiv:2402.09606 (2024)


本セミナーシリーズは量子AIやその周辺分野に関する最近の研究内容などを共有するために企画した、オープンなセミナーです。
皆さまのご参加をお待ちしています。