「第67回Q-LEAP量子AIセミナー」のお知らせです。
今回は、豊田中央研究所の佐藤 勇気 氏による、偏微分方程式の量子求解アルゴリズムに関してのオンラインセミナーを行います。
参加を希望される方は下記の参加登録フォームよりご登録をお願いします。
- 日時: 2024年11月5日(火) 13:00~14:00
- 場所: オンライン(ZOOM)
- 講演タイトル: ハミルトニアンシミュレーションを用いた偏微分方程式の求解法
- 講演者: 佐藤 勇気 氏(株式会社豊田中央研究所 研究員)
概要:
大規模なシステムの偏微分方程式(Partial Differential Equation; PDE)を高速に解くことは、産業界における製品性能の向上と開発コストの削減において重要である。量子コンピュータは古典コンピュータと比較して高速にPDEを求解できる可能性を持っており、実際に、理論的に量子加速を示した量子アルゴリズムがいくつか提案されている。しかしながら、理論的な議論においては、量子アルゴリズムはオラクルベースで構築されるため、詳細な量子回路への実装方法が明確でない場合も多い。そこで我々は、古典系の時間発展問題をハミルトニアンシミュレーションに帰着させるアプローチ[1]に着想を得て、保存系のPDEに対応するハミルトニアンシミュレーションの効率的な量子回路実装を提案した[2]。具体的には、空間離散化のための有限差分演算子を昇降演算子で記述し、その時間発展をベル基底により表現することで、量子回路の空間および時間複雑性が従来の古典アルゴリズムに比べて指数的に小さくなることを示した。本セミナーでは、この成果の詳細を解説するとともに、この手法を非保存系のPDEに拡張した最新の成果[3]についても触れる。
[1] Babbush et al., Phys. Rev. X 13, 041041 (2023).
[2] Sato et al., Phys. Rev. Research 6, 033246 (2024).
[3] Sato et al., arXiv:2407.05019 (2024).
本セミナーシリーズは量子AIやその周辺分野に関する最近の研究内容などを共有するために企画した、オープンなセミナーです。
皆さまのご参加をお待ちしています。