開催案内

「第73回Q-LEAP量子AIセミナー」のご案内(2025年2月4日開催)

「第73回Q-LEAP量子AIセミナー」のお知らせです。
今回は、NTTコンピュータ&データサイエンス研究所の鈴木 泰成 氏によるオンラインセミナーを行います。
参加を希望される方は下記の参加登録フォームよりご登録をお願いします。

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  • 日時: 2025年2月4日(火) 13:00~14:00
  • 場所: オンライン(ZOOM)
  • 講演タイトル: ロードストア型量子計算機
  • 講演者: 鈴木 泰成 氏(NTTコンピュータ&データサイエンス研究所 准特別研究員)

概要:
量子アルゴリズムは多くの均質な量子ビットからなる量子回路で記述されるのが一般的である。これを反映し、誤り耐性量子計算機が直接実行可能な機械語でも、物理座標に紐づけられた量子ビットを個別に制御する形式がしばしば暗黙に採用される。一方、現代の計算機のプログラムは、メモリとプロセッサを分離しその間でデータを移動するロードストア型を前提としている。この場合、プログラムにおいてデータ座標は仮想的なアドレスで指定され、物理的なデータ移動は計算機を構成する制御システムに委譲され実行時に解決されるのが一般的である。
本発表では量子計算機でロードストア型を採用する利点と欠点を議論し、その利点が大きく欠点が小さいことを主張する [1]。具体的には、ロードストア型量子計算機の採用は、必要な量子ビット数やオブジェクトコードのサイズを削減し、符号やデバイスへの依存性を軽減し、実行時の動的なリソース管理や障害への対応を容易するなど、システムの設計上多くの利点があることを示す。また、ロードストア型を採用する際の主要な欠点の一つであるメモリ転送遅延による実行時間のペナルティは、主要な量子プログラムが共通して持つアクセス局所性といった構造に着目しキャッシュなどの記憶階層の考え方を導入することで、数パーセントまで隠蔽できることを示す。
[1]: T. Kobori, Y. Suzuki, Y. Ueno, T. Tanimoto, S. Todo, Y. Tokunaga, HPCA (2025)


本セミナーシリーズは量子AIやその周辺分野に関する最近の研究内容などを共有するために企画した、オープンなセミナーです。
皆さまのご参加をお待ちしています。